2020.1.20 日本初のアースシップへ
建築夜会2回目の視察ツアーとして、徳島県美馬市にある《Earthship MIMA》へ行って来ました!
《Earthship》とは、アメリカの建築家マイケル・レイノルズ氏が実験に実験を重ね建て続けている、オフグリッドハウス(公共のインフラを必要としない建物)の名称です。
おもな建築資材がいわゆるゴミと言われる古タイヤや空きビン、空き缶を使用。
今では世界中でおよそ3000棟が建設され、日本では、ここ《Earthship MIMA》が初となります。
建物を横から見た写真。ジブリの世界。。
まず、水は雨水を利用。家の裏側にある、丸い屋根の所で雨水をキャッチし、ろ過して使う。
これが、ろ過装置。お風呂や洗面所などで使った生活排水は、室内に植えられた植物の根元を通るように設計され、自動的に野菜などの植物を育てる。
そして最後は、水洗トイレの水として使われるようになっているそうです。
電気は、南向きのガラス窓の上に設置したソーラーパネルで発電したものを、車のバッテリーに蓄電。
今の所、不便を感じているのはドライヤーがなかなか使えないことだそう。天気次第の所もあるので、毎日工夫して暮らすライフスタイルに。
ガスはプロパンガスを使用。お湯は太陽温水器。
電気だけでなく、プロパンガスも併用することや、冷蔵庫、洗濯機も使用し今までと同じ利便性も維持しつつ、できるだけ地球に負荷をかけない暮らしをしていて、無理なく自然に楽しく生活している印象をうけました。
壁に埋め込まれた空き瓶の底は、太陽の光が当たるとステンドグラスみたいに。
こちらの円形の部屋は、雨水をキャッチする丸い屋根の下の部分で半分土に埋まっていて、白い漆喰壁の中は土を詰めた廃タイヤを積み重ねているそうです。
年間を通して室温はほぼ一定らしく、このお家にはエアコンがありません。
日本初のアースシップのオーナーさんは…
2011年の3.11の東日本大震災をきっかけに、エネルギーの自給や自分が食べるものを自分で栽培することに関心を持つようになり、神奈川県から美馬市に地域おこし協力隊として移住したそうです。
そこで縁があってアースシップを建設することに。
常識をとっぱらって自分で考えてみる
この震災をきっかけに今まで当たり前だった事が、一瞬にして崩れ落ちた感覚を私も当時関東に住んでいて体験しました。
あれ?うちのガスは使えないけど、友達の家はガスが使える!?こういう時、都市ガスは使えないけどプロパンガスなら使えるの?とか、水がなかったらトイレも流せないんだとか(当たり前なんだけど)
この日をきっかけに色んな事を調べ、今の自分にできる事をし、なるべく自然に近いモノやコトを選ぶようになりました。
性別も、年齢も、地域も、時代も超えて
いつでも実践できて、誰でも幸せになれてこそ本物と呼ぶに値すると思うのです。
ひと握りの人だけが実践できるとか、
選ばれた人だけが幸せになれるとか、
ではなく。
こちらのお家は、誰もが気軽に体験できる場所としてゲストハウスとしてオープンする予定だそうです。興味のある方は調べてみてください。
なぜそうするのか?自分ができることは何か?自分に合うモノってなんだろう?
自然に寄り添いながら暮らすとは?
またあらためて考えさせられた1日でした。
スタッフT